坂田アキラ流勉強法

「急がば回れ」の心掛け

坂田アキラ氏の「数学が面白いほどわかる本」シリーズは、その圧倒的なわかり易さから人気の数学参考書となっています。本シリーズでは、計算の途中経過もすべて記載され、数学が苦手な方であっても徹底的に理解できるように様々な工夫がなされています。こうした姿勢からも、坂田氏の基礎固めを重視する姿勢が見えてきます。

 

坂田氏は、高1や高2の段階では、こうした基礎を確実に固めておくことで、その後の学習スピードが速くなるので「急がば回れ」の心掛けが大切だと言います。また、様々なところで“穴”のある受験生を数多く見てきた経験から、高3生に対しては、まず最初に基礎学力が欠けている分野の“穴”を埋めるように勧めておられます。

 

くり返し実際に手を動かして演習する

ここでは、「数学が面白いほどわかる本」シリーズの「まえがき」を通して、坂田氏が勧める数学の勉強法の概要が確認しておきましょう。

 

「まえがき」には、次のように書かれています。「まず、比較的キソ的なものから固めていってください。つまり、[基礎の基礎]と[基礎]レベルをスラスラできるようになるまで、くり返しくり返し実際に手を動かして演習してください。」(本書の問題にはレベルが記載され、[基礎の基礎][基礎][標準][ちょいムズ][モロ難]の5段階に分かれています。)

 

さらに、その段階をクリアーすると次のレベルに入ります。「キソが固まってきたら、ちょっとレベルを上げて[標準]レベルをやってみましょう。このレベルは、特に重要なテクニックが散りばめられているので、必修です。これもまた、くり返しくり返し同じ問題でいいから、スラスラできるようになるまで、実際に手を動かして演習してください。これでセンターレベルまではOKです。」

 

最後の仕上げに関しては次のように書かれています。「さてさて、ハイレベルを目指すアナタは、[ちょいムズ][モロ難]レベルから逃れることはできませんよ!! しかし、安心してください。詳しすぎる解説がアナタをバックアップします。このレベルまでマスターすれば、アナタはもう完璧です。」

 

このように、坂田氏が勧める勉強法は、まず基礎問題をくり返しくり返し実際に手を動かしながら演習することで“穴”を無くし、その後、レベルを上げていくことを勧めています。その後は、センター試験の過去問や大学2次試験の過去問を本番の時間に合わせて解き、間違えた箇所を克服しつつ合格レベルまで持っていくことを勧めておられます。