高校数学の新課程(2012年から実施)

新課程に対応した参考書を!

2015年の入試から、高校数学の新課程内容での出題が始まりました。現在市販されている参考書には、旧課程内容に対応している書籍も一部ありますので、出来る限り新課程に対応した参考書を選びましょう。勿論、旧課程に対応した参考書の中にも優れたものがありますので、どうしても使いたい方は、新たに加わった分野の対策を別途行って下さい。

学習指導要領「数学」の改訂概略

2012年度(平成24年度)の高1生より適用され、2015年度入試から本格的に導入されています。新課程の概略は以下の通りです。

 

◆必修科目について
・必修科目が「数学基礎」「数学Ⅰ」から、「数学Ⅰ」のみに変更

 

◆科目構成について
・「数学基礎」「数学C」が廃止され、「数学活用」が新設
・新課程では、「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学活用」の6科目

 

 

「数学Ⅰ」(3単位)

新課程の「数学Ⅰ」は、以下の4項目となります。

 

1.数と式(数と集合、式)
2.図形と計量(三角比、図形の計量)
3.二次関数(二次関数とそのグラフ、二次関数の値の変化)
4.データの分析(データの散らばり、データの相関)

 

◆新課程で増補された項目
・「集合」(命題と証明は数学Aから)
・「データの分析」(数学Bから)

 

◆新課程で移行した項目
・「三次の乗法公式及び因数分解の公式」(数学Ⅱへ)
・「数の集合と四則計算の可能性」(中学1年へ)
・「大小関係を不等式で表す」(中学1年へ)
・「球の表面積と体積」(中学1年へ)
・「有理数と無理数」(中学3年へ)
・「二次方程式の解の公式」(中学3年へ)
・「相似な図形の面積比と体積比」(中学3年へ)
・「いろいろな事象と関数」(中学3年へ)

 

 

「数学Ⅱ」(4単位)

新課程の「数学Ⅱ」は、以下の5項目となります。

 

1.いろいろな式(式と証明、高次方程式)
2.図形と方程式(直線と円、軌跡と領域)
3.指数関数・対数関数(指数関数、対数関数)
4.三角関数(角の拡張、三角関数、三角関数の加法定理)
5.微分・積分の考え(微分の考え、積分の考え)

 

◆新課程で追加された内容
・「三次の乗法公式及び因数分解の公式」(数学Ⅰから)
・「二項定理」(数学Aから)

 

 

「数学Ⅲ」(5単位)

新課程の「数学Ⅲ」は、以下の4項目となります。

 

1.平面上の曲線と複素数平面(平面上の曲線、複素数平面)
2.極限(数列とその極限、関数とその極限)
3.微分法(導関数、導関数の応用)
4.積分法(不定積分と定積分、積分の応用)

 

◆新課程で増補された項目
・「平面上の曲線」(数学Cから)
・「複素数平面」

 

◆新課程で追加された内容
・曲線の長さ

 

 

「数学A」(2単位)

新課程の「数学A」は、以下の3項目となります。この中から選択します。

 

1.場合の数と確率(場合の数、確率)
2.整数の性質(約数と倍数、ユークリッドの互除法、整数の性質の活用)
3.図形の性質(平面図形、空間図形)
4.課題学習

 

◆新課程で増補された項目
・「条件付き確率」(数学Cから)
・「整数の性質」(ユークリッド互除法は数学Bから)
・「作図」
・「空間図形」
・「課題学習」

 

◆新課程で移行した項目
・「命題と証明」(数学Ⅰへ)

 

◆新課程で移行した内容
・「二項定理」(数学Ⅱへ)
・「円周角と中心角の関係」(中学3年へ)

 

 

「数学B」(2単位)

新課程の「数学B」は、以下の3項目となります。この中から選択します。

 

1.確率分布と統計的な推測(確率分布、正規分布、統計的な推測)
2.数列(数列とその和、漸化式と数学的帰納法)
3.ベクトル(平面上のベクトル、空間座標とベクトル)

 

◆新課程で増補された項目
・「確率分布と統計的な推測」(数学Cから)

 

◆新課程で削除された項目
・「統計とコンピュータ」(数学Ⅰ、中学校へ)
・「数値計算とコンピュータ」(ユークリッド互除法は数学Aへ)

 

◆新課程で移行した内容
・「資料の散らばりと代表値」(中学1年へ)

 

 

「数学活用」(2単位)

新課程の「数学活用」は、以下の2項目となります。旧課程の「数学基礎」からの変更です。

 

1.数学と人間の活動(数や図形と人間の活動、遊びの中の数学)
2.社会生活における数理的な考察(社会生活と数学、数学的な表現の工夫、データの分析)

 

◆新課程で増補された項目
・「遊びの中の数学」
・「数学的な表現の工夫」

 

◆新課程で移行した内容
・「資料の散らばりと代表値」(中学1年へ)
・「標本調査」(中学3年へ)